昨日、障害厚生年金の審査請求で原処分変更の連絡がありました。
今回の審査請求によって、3級とされていた処分が2級に変更。
原処分変更というのは、審査請求を受けて保険者が
「もう一回考えてみたけど、間違ってたわ」というもので、
処分取消というのは社会保険審査官が、
「それぞれ言い分聞いてみたけど保険者間違ってるわ」というもの。
それによって審査請求人の趣旨が認められるものになります。
ざっくり言うとそんな感じです。
4年くらい前までは審査請求で原処分変更というのは
かなりの数があって、診断書がしっかりしていれば
ある程度は可能性があるものでした。
ただ、ここ数年でめっきり減ってしまった気がします。
審査請求の統計というのは、地方厚生局が年間で
何件受け付けたか、というものは見たことがあるのですが、
それについて原処分変更、社会保険審査官による処分取消が
どの程度行われたのか、というのは見たことがありません。
ですので減った、というのも体感値です。
一方で再審査請求については、厚生労働省で発表しています。
社会保険審査会年度別(再)審査請求受付・裁決件数の推移
これを見ると、昨年容認(原処分取消)が増えたのがよくわかると思います。
取下(多くが原処分変更)も増えています。
つまりこれだけ原処分が間違っていた、ということです。
ただ、審査請求、再審査請求で新たに提出する証拠資料もあるので、
それらも加味されて再度審査が行われていることに注意が必要です。
「それが出てれば最初から認めてたよ・・・(涙)」というのも
ある程度含まれるものと思います。
審査請求から社会保険労務士が代理人となるケースもあるので、
社労士が、認められるための証拠を収集し提出していくことになります。
もう一点、見ていただきたいのが「取下」の件数です。
平成20年には処理件数1114件に対して243件あった原処分変更の取下が、
平成25年には1987件中84件しかありません。
これは年金機構が裁定ミスを激減させたからでしょうか。
おそらく違うのではないかと思います。
保険者が「誤りを認めること」自体が減ったのだと考えます。
それに対して204件の容認裁決が出ていますから、
社会保険審査会がある程度強腰で処分取消をしていった、
と読み取るのが妥当かな、と思います。
いずれにしても、保険者は間違えるということです。
審査請求、再審査請求はその時に適正な審査を求めるために
(適正に行われているかはともかく)用意された権利ですから、
審査請求を行うことでこれだけの変更が現にあるのだと、
ぜひ知っていただきたいです。