2014/02/23
ギリギリのケースで社労士はどうすべきか。
先日、ご依頼を一つ断ってしまった。
どういうものだったかというと、
受給いただくのは難しいと思えるものだったからで、
他にもこういう方法が取りうる、というご提案をして、
最終的に今回は請求をしないことになった。
これはすごく難しい。
実質的に、依頼を受けないということで、
請求者の権利を制限することにつながりかねないからだ。
本来、そういう判断を社労士がするべきではない。
だから、基本的に少しでも可能性がある限りは、
社労士は引き受けるべきだと思う。
でもそれが数パーセントだったらどうだろう。
今回は、物理的に得られる機会はあっても、
望みとしてはほぼ無理だと思った。
そういう時、障害年金を扱う社会保険労務士は、
果たしてどうするべきだろうか。
過去に不支給となって権利が得られない、となったとき、
こうおっしゃったご依頼者の方がおられた。
「受給できないなら、そう言うのも
あなたの仕事ではないんですか」
おっしゃる通りである。
でもその時は面談の結果、可能性はあると思ったのだ。
しかし上がってきた診断書は想定外だった・・・。
ウチの事務所のスタンスをご存じであれば
ご理解いただけるかもしれないけれど、
障害年金についてはウチは商売っ気ない事務所だ。
先日入ったスタッフも驚いていた。
「売り込みとかしないんですね。。。」
ええ、しません。
DMとかも全くしませんし、年賀状くらい。
新規お問い合わせも返信がなくなればそのまま終了。
ご面談では、ご自身でされる時はこうした方がいいですよ、と
きちんとご自身で請求される選択肢もお話するし、
このケースだと社労士入れるのはもったいないので、
一度ご自身で請求を試されてはいかがですか、
と言うこともしょっちゅうある。
ご面談は無料だし、受任後も日当という概念はないし、
最初に着手金をいただいて、そこから再審査請求まで、
受給権が得られない場合、全くの無報酬というのが通常である。
その中で経費の立て替えまでする。
これで潰れないって一つの奇跡です笑
再審査請求まで行けば受任から1年半はかかる。
この間、本当にマジで無報酬なのだ・・・。
厳しい時も正直言うと何度かあった。
でもなんとか乗り越えて5年目を迎える。
我ながらよく頑張ってると思う笑
ご依頼者の方の9割以上の方には受給いただいているし、
再審査まで行って処分取消も結構ある。
それでも10割というわけにはやはりいかない。
逆に受給率が10割ということになると、
可能性を潰しているものも生じてしまうかもしれない。
そういう難しさの中に障害年金という業務はある。
最初は、ご請求者にとって「悔いのない請求を」
と思って障害年金業務をやってきた。
でも、やはり究極求められているのは「結果」なのだ。
「悔いのない」なんて、所詮は社労士の
身勝手な自己満足に過ぎないのかもしれない。
もちろん受給のためにやるだけやった、というのは重要だけれど、
それがボランティアならばいいのかもしれない。
しかし、プロフェッショナルとしてはそれでは足りないのだ。
そのことに気づかされた一言でもあった。
それでも、今後も少しでも可能性のあるものは、
悩みながらも受任していきたいと思う。
不支給になれば罵詈雑言を浴びることもあるだろう。
ボクも人間なので傷つかないわけではない笑
むしろプロフィールとおり傷つきやすい男である。
それでも、ご満足いただけている方がずっとたくさんおられる。
だから、もう少し障害年金を頑張ろうと思える。