2017/09/27
障害ってなんだろう。
先日、上智大に行ってきました。
現在行っている障害年金の訴訟について、
大学教授、弁護士、社労士などと進め方の協議です。
話を進めていく中で、障害とは何か、
ということを考えさせられます。
障害年金でいう障害というのは、
基本的に医学モデルであったと思うんですね。
だからこそ医師に診断書を求めるし、
障害認定基準が医学に基づいているし、
障害認定基準を作る専門家会合の専門家とは、
医師であるわけです。
ただ、こと精神においては、
社会モデルに振ってきているのではないのではないかと。
社会モデルとは、障害とはむしろ社会にあって、
それを取り払う事で能力が発揮できる、という考え方です。
障害者雇用とはまさしくこれを取り払った
(取り払おうとしている)雇用なわけですが、
障害者雇用で年金に影響を受けているのは精神障害になります。
肢体は医学ベースで関節可動域、筋力で判断されるので、
収入がどれだけあっても、障害者雇用で支給停止にはなりません。
*20歳前傷病の障害基礎年金を除く
しかし精神にはそういった客観的な指標がなく、
日常生活能力で見るしかない、として、
障害者雇用で就労していることなどを理由に
支給停止や不支給を受けることになります。
*決定通知書にはなくても、裁決書、決定書では、
就労していることを列挙しています
*その指標が診断書裏面だと思うのですが・・・
その移行がいいとか悪いとかではなくてですね。
そうした認定について障害認定基準に書かれているわけでもなく、
誰かがそうした運用について合意したわけでもなく、
いきなり不支給や支給停止にしたりするので、
皆の不満がたまっていくことになっているわけです。
肢体は良くて、精神は不支給って、
やっぱりこれは変だよね。
ルールを設けてそれを適正に運用するのが行政なら、
それを見えない形でやるというのは、
行政のやることじゃない。
そのため、社労士が審査請求し、
再審査請求し、場合によっては
弁護士さんと一緒に訴訟に臨むわけです。
社労士を毛嫌いする医師もたくさんいる現状ですが、
こうした際に代理して審査請求するのは、
実質的に社労士しかいない、という現状は
認識していただく必要があります。
*と同時に、そうした状況を作った社労士も
悔い改めなければなりません。もちろんボクも含めて。
話を戻すと、こうした認定の現状は、
等級判定のガイドラインで少し是正された気がします。
この行き過ぎた認定が少し戻されたのではないかと。
ガイドラインができたきっかけが、
障害基礎年金の地域差問題で、
その記事を書いたのは共同通信の記者さんです。
お会いしたことあるんですが、大変物腰柔らかい方です。
いろんな人の思いがあって、障害年金も変わっていきます。