2017/07/31

精神の障害の程度ってなんだ?(2)

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↓肝は議事録にあり。

精神の障害の程度ってなんだ?という記事で、

たとえば、障害認定基準においては就労について、
「仕事の種類、内容、就労状況、仕事場での援助、意思疎通等
 を十分に確認して日常生活能力を判断すること」としています。

実はここには、評価しがちな「ある項目」が入っていません。

そう、「就労をどの程度継続できているか」です。
これが入っていないのには、実はしっかり理由があるんです。

というようなことを書きました。

この続きを早く書け!と白木に急かされました。
いや、ま、まさか、忘れてるわけないじゃないですか・・・!

これは知的、発達障害において、評価項目が挙げられているのに
なぜここに就労期間が入っていないのか、
ということを書こうと思っていたのでした。

この答えは、認定基準を作るときの専門家会合にあります。

障害認定基準というのは、
実は毎年のように改定されているのですが、
H23年に精神の改定がありました。

専門家会合というのはこの改定のための会議のことで、
医師などの有識者がどのような改定を行うか話し合います。

それでこの「就労の継続期間」はですね、
この専門家会合で除かれたのです。事務局案では入っていました。
議事録には以下のようにあります。

事務局
発達障害の方は従事している期間があるのですが、知的の方は従事している期間を抜いています。前回は入れていましたが、知的障害の人たちにとってはあまりそぐわないのではないかという意見がありましたので抜いています。実際に長さではないと、長く勤めていられるから日常生活がよくなっていると見られるものではないので比較はできないという意見をいただきましたので、そこの部分を抜いています。

ほらね、あったでしょう?ちなみに発達においても,
この会議で以下のように委員が発言しました。

委員
(発達について)これも知的障害と同じで「期間」は要らないと思います。発達障害の場合は、長く就労していても特性が継続するので、だから支援が要らないという事にはならない。これは抜いたほうがいいと思います。

ね?発達障害も「就労期間」で
障害の状態を認定できるものではないから、
抜きましょうと明確に言ってますね。

でも実務では就労期間って、
バリバリ審査に含まれてますよね。
審査請求でも再審査請求でも就労を〇年継続しており、
これらを総合的に勘案すると・・・とか言ってます。

認定基準だけを見ているとわかりませんが、
議事録まで見るとこうした趣旨がよくわかります。

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カテゴリー: 障害年金。