2013/11/10
同じ障害状態なら同じ等級になる、という幻想。
昔、法人営業をしているとき、上司が言っていたこと。
「日曜日休んでもいいから、寝る前10分だけ、
週明けの仕事のことを考えろ」
まあその通りだなと思うんですが、個人事業主となって、
せめて寝る前10分くらいは仕事を忘れたい(涙)
そんな風に思うかなあ…。
と言いつつ、日曜の夜にブログを書いております笑
今日は真面目に障害年金の話。
先日、障害ねんきんナビに、
「障害年金請求は社労士に依頼すべきか」
という記事を書いたんですが、一旦サクっと消しました笑
これを書く前に、一つきちんと
お伝えすべきことがあると思ったからです。
それは…
「同じような障害の方なら常に同じ等級になる」
というのは、幻想であるということです。
例を挙げてみるならば、交通事故で脊髄損傷を負い
下肢に障害が残る方が、障害の状態が
医学的常識からほとんど見込めず、
リハビリもしていないのに突如支給停止になる、
ということが想像できるでしょうか。
これは実際にウチで扱った事例で、
既に複数回更新してきて、
突然支給停止を喰らったというケースです。
この時は審査請求からお受けして、再審査までいきましたが負けました。
主治医からは医学的見地から回復はあり得ないこと、
障害状態は数年前から固定しており、
リハビリの効果もなく既に行っていないこと、
むしろ加齢により健側の筋力や可動域が制限され、
日常生活能力は低下していること、など意見書として提出しました。
それでも審査会まで行って普通に負けます。
これが障害年金の現実です。
もちろん通せる社労士もいるかもしれませんが…。
なぜこういうことが起きるか。
それは、現況届(障害状態確認届)を出させる以上、
そこでの記載がこうした事情よりも優先されるからです。
この時は何気なく書いて出した関節稼働域、
筋力の丸の付け方が前回と変わっていました。
たとえば「著減」と「半減」などです。
こんなのは計測者の主観で変わりかねないものです。
医学的な不可逆性が優先されるべきだとボクは思います。
しかし、国(年金機構や厚労省)はそう考えておらず、
事実そのように取り扱っていない、ということです。
こういう時実務ではどうするかと言うと、審査請求と並行して
「支給停止事由消滅届」を、診断書を別に取って出しておきます。
再審査で負けても、これがもし通れば、
支給停止の期間を最小限にできるからです。
支給停止事由消滅届ならば、一年待たずにすぐに出せます。
こういうことはネットにはあまり載りません。
年金事務所、市町村の年金課でもなかなかわかりません。
しかし障害年金を扱う社労士なら、これは当たり前のことです。
この時も再審査は負けましたが、支給停止事由消滅届が通りました。
くどいようですが、最初から障害状態は変化していません。
障害年金事務はそんなもんなんです。
だから「同じような障害の方なら常に同じ等級になる」というのは
幻想もいいところなのです。
しかし誰かは言います。「障害年金は自分でできますよ」
誰かも言います。「社労士なんて信頼できない」
もちろん自分で手続きできるケースもあるでしょう。
信頼できない社労士もいるかもしれない。
しかし「自分と同じ職業なら信頼できる」というのは妄信です。
そしてこうした現実を知らずに言うのは無責任です。
こういったケースに最後まで(支給をまた得られるまで)
責任を取れるならまだしも、です。
ここまでできるのは社労士ぐらいです。
もちろん費用はかかりますが、
それ以上に得られる利益があります。
だめなら訴訟ですが、そこでも社労士のサポートの余地はあります。
「一人で出来ますよ」と言われて、不支給になって、
そこでご依頼となるのは年間でもいくつもある話です。
しかし、既に処分後の審査請求からだとなかなかきついんです。
「始めからこの資料出せてたらなあ…」というのも多々あります。
そうしたことも含めて、社労士に依頼する、
ということはどういうことかをお考えいただきたいです。
当事務所は着手金はきちんといただきますが、
一般的に障害年金の社労士報酬の大部分は成功報酬です。
結果が伴うと報酬か生じるというのは良心的だと思います。
治せなくても費用がかかる医療とは違います。